2017年6月19日月曜日

スタッフ紹介 ばば

皆さま,こんにちは!!

きみっしょんスタッフの馬場俊介です。
あだ名は本名そのまま「ばば」です。よろしくお願いします。

顔が黒いので明るさを調整すると背景が白飛びします。
今年のGWもきみっしょんスタッフ何人かで旅行に行きました。去年は伊豆,今年は石川。


 自己紹介 

東京大学の物理学専攻の大学院生で,博士課程の3年です。
宇宙研の赤外線グループで研究しています。
(研究室のWebページは→ https://www.ir.isas.jaxa.jp/index-j.html

趣味は,絵や図を描いたり,工作をしたり,ジャンルを問わずモノ作り全般です。少し前は手軽さから紙細工にはまっていました。塗装技術を習得したいなあと思いつつ,なかなか行動に移せないまま数年経ちました。

また,自転車であちこちぶらつくのが好きで,度々サイクリングに行きます。相模原に引越してきたときに,ちょっと良い自転車を買いました。ロードバイクで何百kmも走るような本格的なものではないですが,マイペースに楽しんでいます。

漫画も好きでよく集めています。人生で最初に買った漫画は,「名探偵コナン」でした。今でも買ってます。家に漫画が増えすぎて困っています。


 研究 

宇宙研では,活動銀河核近傍の物理状態や構造を調べるという研究をしています。

活動銀河核は,よく AGN とも呼ばれます。
(英語で Active Galactic Nucleus なので,その略称。読み方は「エージーエヌ」)

AGNは,巨大なブラックホールに大量のガスや塵が落ちて明るく輝いている,銀河の中心のコンパクトな領域です。巨大ブラックホールは,太陽の100万から10億倍程度の質量(!)。明るさは,太陽の1億から1兆倍程度(!!)。途方もないスケールですね。AGNは,これだけのエネルギーを出しているので,銀河に比べて1%以下の大きさしかないにもかかわらず,銀河全体に影響を及ぼします。「AGNは小粒でもピリリと辛い」というわけです。

eso0903a_small.jpg
ESO/WFI (Optical); MPIfR/ESO/APEX/A.Weiss et al. (Submillimetre); ASA/CXC/CfA/R.Kraft et al. (X-ray)
(http://www.eso.org/public/images/eso0903a/)

これは,ケンタウルス座Aという銀河の写真です(色々な望遠鏡の観測結果の合成)。銀河本体の中心からガスがジェットのように噴き出ている様子が写っています。ジェットの長さは銀河本体を突き破って5万光年以上にもなります。そして,ジェットの根元にあるものこそ,AGNです。こんなAGNが,宇宙のいたる所にあります(決してレアな天体ではない!)。言うなればAGNとは,銀河の進化を司る超絶的なパワースポット。そこには一体,どんな景色が広がっているのでしょうか?そんなことを考えながら日々研究しています。

AGNの周囲はどんな状態・構造になっているのか。それはよく分かっていません。理由の一つは,AGNが小さいから。上の写真で言うと1ピクセル以下の領域でしかありません。ですので天文学者は,いろいろな工夫をしてAGNを観測してきました。

代表的な方法の一つが分光です。物理の教科書に載っている,プリズムで光を虹色に分けるアレです。光の強さを波長ごとに測って,物がどんな状態なのか調べます。そして分光観測によって,AGNには大きく分けて2種類あると分かりました。波長ごとの光の強さのグラフに幅の広い輝線があるもの(1型)と,狭い輝線しかないもの(2型)です。

では果たして,1型と2型の違いが何を意味するのか?1型,2型AGNは,それぞれ性質が異なる別の種類の天体なのか。いや,そうではなく,見かけ上違うように見えているだけだ,という解釈が90年代に登場しました。AGN統一モデルです。

AGN統一モデルが考えるAGN周囲の構造は下の図のようものです。ブラックホールの周りにドーナツ型の分子雲(AGNトーラス)があり,その内側と外側に幅の広い輝線を出すガス雲と狭い輝線を出すガス雲があります。確かにこんな構造なら,幅の広い輝線が観測できるかどうかは,ドーナツの穴を覗けるかどうかで変わります。なので,ドーナツを上から見ればAGNは1型に見え,横から見れば,幅の広い輝線がドーナツで隠されて,2型に見えますね。


……なんてもっともらしく書きましたが,本当に↑のような構造なのか,その答えは誰も知りません。実際,上の単純な構造で説明できないようなAGNも多く見つかっています。いくつかの1型と2型は見かけ以上の本質的な違いがある,とか,ドーナツにも薄いものや穴がほとんど開いていないものなど色々ある,というようなことが言われていて,単純なドーナツ構造は今となっては少し古臭い,オールドファッションな描像です。

OldFashion.png

美味しく食べられるならオールドファッションでも歓迎されますが,天文学ではそうはいきません。僕の研究の目的は,AGNの状態と構造を調べて,統一モデルを改良することです。そのために,近赤外の吸収線によって間接的に高い視力でAGNを見るという工夫をして,研究を進めています(この辺りの原理は,興味があれば当日聞きに来てください)。この方法も上で言った分光観測の一つ。主に使っているのは宇宙研の赤外線天文衛星「あかり」の観測データです。研究の副産物として,「あかり」データの品質を上げる,という活動もしました。

赤外線天文衛星「あかり」 (C) JAXA

博士課程最終学年なので,大学院生としての研究も大詰め。大変なこともありますが,誰かに教わるのではなく自分で新たな発見をして理解を深めていくのは楽しいです。しかも,そんな自分の成果が,他の人の理解も深めて,次の新しい研究に繋がっていく!そこが研究の醍醐味ですね。

研究についてでも,大学や大学院の生活についてでも,気になることがあったら,遠慮なく聞きに来てください!たくさん話しましょう!僕も皆さんの話を聞きたいです。このまま新しい情報の仕入れをサボっていると,自分がオールドファッションな人間になってしまいそうなので。


 きみっしょんに向けて 

皆さんに会えるのを楽しみにしています!
これまでにもスタッフとしてきみっしょんに参加していたんですが,毎回,こっちが逆に高校生から刺激を受けています。

参加するみなさんにとって,きみっしょんは大きな挑戦になると思います。ミッションのテーマ決め,班員同士での議論,知識を吸収し他の人に分かりやすく伝えること,ミッション作成のステップ一つ一つが全く新しい経験かもしれません。皆さんがミッション作りから色々な学びを得られるよう,しっかりサポートします!

きみっしょんで会いましょう!
それでは!


ばば

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